一太郎の割付について
ショートカットキーとして使う
一太郎にはショートカットキーに相当する『キー割付け』、カスタマイズメニューに総統する『メニュー割付』が備わっています。
「フォント・装飾」「段落スタイル」など、よく使う機能をキー割付やメニュー割付に登録すれば、ショートカットキーのように操作を簡略にすることができます。
ちなみに、下図で「Alt +1」「Alt +2」とあるのは、当方が割付けたショートカットキーです。
通常、メニューから辿らないと呼び出せない割付機能が、「Alt +1」「Alt +2」で呼び出せるようにしています。
隠れ機能の呼び出し
また、キー割付とメニュー割付けには、通常の一太郎のUIに表示されない『隠れ機能』を呼び出すこともできます。
一太郎の全機能を確認するには、『編集』 → 『補助』 → 『標準機能』をクリックして、メニュー項目から呼び出すことができます。
どこに、どんな機能が含まれるのか、割付けたい機能をあらかじめメモしておくと、作業もスムーズに運びます。
キー割付(ショートカットキーの作成)
キー割付(ショートカットキー)を作成するには、『ツール』→『割付』→『キー』を選択します。
『Shift』『Ctr』『Alt』『Shift+Ctrl』『Shift+Alt』『Ctrl+Alt』の五種類から選べます。
『一覧』から、割り付けたい機能を選択し、『<<割付』で確定します。
他のキーと重複して登録することもできます。(例 : Ctrl + B, Ctrl + Alt + B どちらも『太字』)
メニューの割付け(カスタマイズ・メニュー)の作成
メニュー割付(カスタマイズ・メニュー)を作成するには、『ツール』→『割付』→『メニュー』を選択します。
メニューもたくさん種類があるので、どれを割付ければいいか、分かりにくいですが、
・ メインメニュー(オリジナル・クラシック) 一太郎のウィンドウ上部に表示される一般メニュー
・ 通常行メニュー 編集画面の余白で右クリックした時に表示されるメニュー
・ 選択範囲指定時メニュー 文字や行を選択した時に右クリックで表示されるメニュー
の三つを設定すれば、十分です。
※ 画像は、当方のカスタマイズなので、一般的な表示とは異なります。
オリジナルメインメニュー(クラシックメインメニュー)
画面上部に表示される、全てに共通のメインメニューです。
通常行(ショートカットメニュー)
編集画面の空白部で右クリックした時に表示されるメニュー(何も入力してない状態)
選択範囲指定時メニュー
文字列や段落などを指定した時に表示されるメニューです。
一般的には「切り取り」「コピー」「貼り付け」が割り当てられますが、それにプラスして、「フォント・飾り」「段落属性」「文字・段落スタイル」「脚注/割注/注釈」「ハイパーリンクの挿入」などを入れておくと便利です。
カスタムメニューの作成
よく使う機能は、『カスタム(任意の名前)』のメニューを新規作成して、一つにまとめておくと便利です。
メニュー割付けの画面を開き、『追加』から必要な項目を選択します。
メニューの名称は、割付け画面の下方、「メニュー名」で設定。
機能の詳細を編集画面でポップアップ表示したい場合は、「メッセージ」の欄に内容を記入します。
(例 : 選択した文字列にマーカーを引く )
- メニュー : 新規メニューの作成
- サブメニュー : サブフォルダの作成
- 区切り線 : 区切り線(点線)
- 折り返し : 下位の項目
執筆に便利な機能
画面スクロール 右画面 / 左画面
マウスを使わなくても、キーだけで画面をスクロールすることができます。
縦書き文書なら、『左スクロール』『右スクロール』をキー割付しましょう。
(もしくは「行頭方向スクロール」」「行末方向スクロール」)
キー割付けの画面を開き、『カーソル移動・スクロール』から設定します。
カーソル移動・スクロールに関しては、「前編集位置ジャンプ」(一つ前に編集していた場所に戻る)」「前(次)の見出し」「前(次)校正マークジャンプ」なども設定しておくと便利です。
※ ご利用のPC環境によっては、動作が異なることがあります。
再変換(漢字の再変換)
誤って、「構想」を「高層」と入力してしまった場合、『再変換』を利用すれば、削除と再入力を繰り返さなくても、漢字を置き換えることができます。
『ツール・オプション』から『再変換』を設定します。
範囲先指定(ページのコピー、貼り付けなど)
数ページから数十ページにまたがる、広範囲を選択する場合、『範囲先指定』で『ページ単位』を使うと便利です。
『編集』→『範囲先指定』を選択します。
私はショートカットキーに割付けていますが、メインメニューや、通常行メニューに割付けても便利です。
ファイルから貼り付け
長文をいくつかのファイルに分割して保存・整理する際に便利な機能です。
コピー&貼り付けしたいファイルをいちいち開いて、「テキストの全選択」→「コピー」→「貼り付け」を繰り返さなくても、『ファイルから貼り付け』を実行すれば、コピーしたいファイルの全文を、現在のカーソル位置にまるごと貼り付けることができます。
環境ファイルのバックアップを行う
カスタマイズした内容は、環境ファイルを保存して、バックアップしましょう。
『ツール』→『環境ファイル』→『ファイル保存』を選択して、任意の場所に保存します。
『ツール』→『環境ファイル』→『ファイル保存』
システム再起動や再インストールでキー割付けやメニュー割付けの設定が失われた場合、『ファイル読込』から簡単に復元することができます。
※ ただし、バージョンの異なる一太郎で、保存 / 復元はできません。
確実にバックアップをとるには、[『ツール』→『オプション』→『互換設定 / コンバータ』→『メニューコンバータ』から、メニュー割付登録ファイルを開きます。
エクスプローラにおいて、メニュー割付登録ファイル(バックアップ用)は下図のように表示されますが、どのフォルダに、どのバージョンの登録ファイルが保存されているのか、、初心者には分からないと思います。
番号は数字が大きいほど、新しいバージョンです。
現在、一太郎2021を使用していれば、一太郎2020の登録ファイルの保存場所は『TARO29』になります。
『TARO29』のフォルダを開いてみると、『T29_STK_MNU』という名前の登録ファイルが見つかります。
ファイル名の上で右クリックして、文書情報を開きます。
文書情報の「作成日時」が2020年なら、一太郎2020の可能性が高いです。
同じ要領で、新バージョンの登録ファイルを特定して、実行(コンバート)を行います。
上手くコンバートできない場合は、手動で設定し直します。
現在使用中のバージョンの登録ファイルの保存場所は、一太郎の『ツール』 → 『オプション』 → 『登録ファイル』から確認することもできます。
バックアップと環境引き継ぎがネックの一太郎
一太郎も開発から30年以上が経過しており、プログラムを抜本的に改変するのが難しいのか、『バックアップの保存と復元』『環境引き継ぎ』が複数のファイルに分かれ、いまだに「一発復元」「ワンクリック引き継ぎ」が実装されません。
ATOKもそうですが、キー割付や環境設定、ユーザー辞書など、一つ一つバックアップをとって、手動で復元しなければならないので、非常に面倒です。
匿名掲示板のスレ主曰く、小学校などで、何年も前の旧バージョンを使っているユーザーも多く、うかつにコアのファイルをいじると、旧バージョンのユーザーが使えなくなって、公費の負担になりかねない、とのこと。
だとしても、一太郎歴の浅いユーザーは、バージョンアップした途端、キー割付もメニュー割付もリセットされて、戸惑うだろうし、もう少し、簡素に、確実に、設定の復元や引き継ぎができるよう、知恵を絞って頂きたいものです。