容量少ないPCにおすすめクラウドサービス『pCloud』

スマホとタブレット専用のアプリ
目次

クラウドストレージ『pCloud』の特徴

pCloudは、ローカル(PCやタブレット)の仮想ドライブを利用したオンラインストレージです。

OneDriveやGoogle Driveと異なる点は、前者がHDDに保存したファイルとオンラインストレージを完全同期するのに対し、pCloudは、オンラインストレージに存在するファイルをローカルの仮想ドライブで操作する為、記憶容量の少ないPCやモバイル端末でも、500MB~2TBのオンラインストレージを管理することができます。

pCloud Premium

以下、PCの記憶容量については「HDD」(SSDを含む)、タブレット&スマホの記憶容量は「内部ストレージ」を前提として記述します。(差し込み式のmicroSDカードではない)

pCloudの使い方

ローカルの仮想ドライブを利用したファイル管理

OneDriveやGoogle Driveなど、一般的なオンラインストレージとpCloudの決定的な違いは、ファイルの置き場所です。

前者の場合、2TBのファイルを同期で利用するには、ローカル側(PCやタブレット)にも、2TBの空き容量が必要ですが、pCloudの場合、CドライブやDドライブとは異なる仮想ドライブでファイル管理する為、2TBの空き容量を必要としません。

ファイル操作に必要なメモリ量と、キャッシュ&専用アプリをインストールする為の空き容量があれば、64MBのタブレットでも、オンラインストレージに保存された2TBのファイル操作が可能です。(動画再生やPDF閲覧、シェアなど)

筆者のPCのエクスプローラでは、下図のようにpCloudの仮想ドライブが表示されます。
『空き容量 0.98TB(2.00TB)』と表示されていますが、実際に、1TBのファイルがHDDに保存されているわけではありません。
しかし。エクスプローラなど、Windowsのプログラムを通して、オンライン上のファイルを編集したり、削除 / コピーしたり、HDDのファイルと同じように操作することができます。

筆者も4年以上、継続使用していますが、ファイルが消失したり、Windowsがフリーズするような問題は一度もないです。

HDDの仮想ドライブ

Windows ファイルマネージャー

料金 : 『月額プラン』と『ライフタイム』

料金体系は、『月額』、または『ライフタイム(一括払いの永久使用)』の二通りあり、長期使用するなら、ライフタイムがお得です。

※ ストレージの上限は2TBですが、クリスマスセールなどで、4TBに増量するサービスも始まっています。

pCloudの料金体系 月額とライフタイム
※ 公式サイトで料金体系を確認する

お試しに、無料アカウントを開設することもできます。(メールアドレス、もしくはSNSアカウント)

10GBが無期限で利用できます

無料お試し 10GBを永久利用可能
※ 無料アカウントを開設する

アカウントを開設すると、クリスマスやBlack Fidayなどに、ディスカウントのお知らせが頻回に来ます。
セールスの時を狙って、有料会員に切り替えるのがおすすめです。

pCloud ディスカウントセール

無料アカウントの作成

公式サイトのトップページ https://partner.pcloud.com/にアクセスし、画面右側の JOIN pCloud FOR FREE から、Eメール もしくは Apple、Facebook、Googleアカウントで会員登録します。

データの保管場所
Data region: European Union もしくは United States 

どちらかを選択し、I Accept pClouds's Terms & Conditions ...(利用規約に同意します) にチェックを入れて、『Create account』 でアカウントを作成します。

Eメールの場合、登録したメルアドに確認のメールが届くので、指定のURLをクリックして、会員登録を完了します。
Eメールは、会員情報から変更可能です。

アカウントの開設

pCloud ファイル管理の実際

専用アプリをインストールする

公式サイトの上部メニュー、Donwload にアクセスし、お使いのPCに併せて、専用アプリをインストールします。

パソコン Windowsの専用アプリをインストールする

スマホ&タブレットの専用アプリは、Google Play、もしくはApple Store からインストールします。pCloud で検索すれば、すぐに出てきます。

スマホとタブレット専用のアプリ

管理画面の設定(同期フォルダの選択、共有リンクの作成など)

管理画面のトップです。
現在の使用状況、自身のオンラインストレージや公式サイトへのリンクが表示されます。

pCloud 遠隔操作の管理画面

Windowsドキュメントのバックアップ。
保存したいフォルダを選択することができます。

Windows ファイルのバックアップ

ローカル(PC、タブレット、スマホ)とオンラインストレージで自動同期するフォルダを設定します。
自動同期の場合、ローカルで削除 / 編集したファイルは、即時でオンラインストレージに反映されるので、注意が必要です。

重要ファイルのバックアップを確実にするには、バックアップ用のソフトウェアを使って(BunBackupSyncBackFreeなど)

1) 『重要フォルダ』→『ローカルのpCloud Syncフォルダ』に片道コピー
2) 『ローカルのpCloud Sync』→『オンラインストレージ』に自動同期

のように、二段階バックアップするのが確実です。

同期したいフォルダの選択

共有ファイルの設定画面です。
ファイル、もしくはフォルダの共有リンクを作成し、管理することができます。

共有ファイルの設定

Setting の General(一般設定)では、次の四点が設定可能です。

  • Star pCloud Drive on system startup (Windowsの起動時にpCloud Driveを自動でスタートする)
  • Show Context Menu (エクスプローラの右クリックメニュー『Copy to pCloud Sync』を表示する)
  • Show File Status icons (フォルダ&ファイルのサムネイルに同期の状態を知らせるアイコンを表示する)」
  • Upload Screenshot (スクリーンショットをオンラインストレージに自動アップロードする)

Language(言語設定)は、英語、スペイン語、フランス語、ドイツ語から選択可能。

起動時スタートアップ、右クリックのコンテキストメニューへの表示など

『Speed』では、アップロード / ダウンロードの速度制限を設定できます。
通信環境に問題がなければ、Unlimited で構いません。

pCloud ファイル同期のスピードとキャッシュを設定

『Disk Usage』では、ディスクの使用量を設定することができます。

  • Minimum Disk Space (ファイル操作に割り当てるディスク容量)
  • On Disk Cache Size (ファイル操作に割り当てるキャッシュサイズ)

pCloudのファイル操作は仮想ドライブで行う為、十分な作業用スペースが必要です。

たとえば、オンラインストレージに保存した1GBの動画をスマホやタブレットで視聴する場合、ファイルを再生する為のメモリとキャッシュが必要になります。

モバイル端末の場合、そこまで大きな負担はかかりませんが(NetFlixやamazonプライムビデオが再生できる環境なら、特に問題なし)、PCのエクスプローラで数百枚の画像を一括コピー / 移動したり、動画変換するような場合は、十分なメモリ空き容量とキャッシュが必要になります。

あまりカツカツに設定すると、負荷の大きな作業をした時に、エクスプローラや画像ビューワがフリーズすることもあるので、お使いのPC環境に合わせて、数値を調整します。

ディスク使用量の設定

『Backup/Sync Exclusions』では、バックアップから除外するフォルダやファイルの種類を設定することができます。

バックアップの設定

オンライン(ブラウザ)の管理画面

オンライン(ブラウザ)の管理画面は下図のようになります。
フォルダーツリー + ファイルリスト で、Windows エクスプローラーに似たデザインです。

ブラウザの管理画面

管理画面は英語になりますが、そこまで複雑な設定は必要ありません。
PCの扱いに慣れている人なら、すぐに分かると思います。

pCloudのデメリット

2022年1月、オフラインでも、PC側でファイル操作できることが確認できました。
たまたま自宅のLANがダウンして、午前中、ネットが利用不可になった時、「ああ、またpCloudのフォルダが消える」と思っていたら、エクスプローラにちゃんと表示されて、ファイル移動や貼り付けなども可能でした。(ローカル側の変更が、オンラインになった時、同期で反映されるようです)
ただし、個々の環境によると思うので、試用期間中に、オフラインでの動作を確認して下さい。

オフラインで使用できない

pCloudは、仮想ドライブを通じて、オンラインストレージのファイルを呼び出すので、オフラインにすると『pCloud Drive』はエクスプローラから非表示になり、PCやモバイル端末からファイルにアクセスすることもできません。

モバイル端末(タブレットとスマホ)については、オフラインでもファイルを操作 / 共有できる、『オフライン設定』はありますが、「オフラインで共有」=「ローカルにファイルを保存」という形になるので、オフライン設定できるファイルの数は限られます。

この点が、ローカルにも同一のファイル / フォルダが常時存在するOne DriveやGoogle Driveとの違いです。

したがって、pCloudの主な使い道は、日常的に使わないファイルの置き場所 となります。

  • 動画・写真など、容量の大きいファイル
  • バックアップのコピーやプロジェクトの終了した保存ファイル
  • 削除してもいいが、念のため、保存しているアーカイブ

たとえば、小説の執筆などで、何十種類ものバージョンが存在する場合、草稿や改訂前の旧バージョンなど、「今すぐ使わないけど、アーカイブとして残しておきたいファイル」の置き場所にすれば、古いファイルがどんどん増えても、スペースに困らないし、整理もしやすいです。

また、「ほとんど閲覧しない写真」「旅先で視聴したい動画」「友人と共有したいプロジェクトのファイル」などの置き場所にも最適です。

ファイル容量が増えると、動作がスローになる(PCの場合)

WORDで文書作成したり、Excelで表計算するぐらいなら、普通に作業できますが、「画像ビューアで、数百枚のサムネイルを一覧表示する」「長編のビデオを動画変換する」といった負荷のかかる作業をすれば、pCloudに割り当てられたメモリやキャッシュが圧迫されて、サムネイルの一覧表示に異様に時間がかかったり、最悪、画像ビューアやエンコーダーがフリーズすることもあります。(当たり前だ)

数百枚の画像処理や動画変換など、負荷のかかる作業をする場合は、いったん、ファイルをローカル側にコピーし、ハードディスク内部で作業を完結した方が安全です。

多人数での共同作業には向かない

pCloud自体が、まだまだマイナーな存在である為、多人数での共同作業には向きません。
OneDriveやGoogle Driveのように「誰でも無料アカウントは持っている」とか、DropBoxやiCloud のように「この際、アカウントを開設するか」という有名サービスでもないので、pCloudの利用を提案しても、万人には受け入れられないと思います。

ファイル共有も、知らない人から見れば、「このリンク、大丈夫??」と疑ってしまうので、オフィシャルに使うのはなかなか難しいかもしれません。
OneDriveやGoogle Driveの共有リンクなら、多くの人は無条件に信用しますけど。

特に、日本人ユーザーの間では、非常にマイナーだと思いますし、共有リンクで招待されても、「英語のメニューしかない」と分かると、それだけでスパム認定するような人もあると思うので、汎用として使うのは難しいと思います。

こんなユーザーにおすすめ : 大容量スペースを割安で確保したい

上記の理由から、pCloud を使うべき理由は次の四点になります。

一番の魅力は、ライフタイムで購入すれば、OneDriveやGoogle Driveより、はるかに割安という点ではないでしょうか。

  • 大容量のオンラインストレージが欲しい(できれば割安で)
  • PCやタブレットの容量が小さいため、ファイル保管場所を確保しにくい
  • 出掛け先で、手持ちの動画やPDFファイルを閲覧したい
  • オフラインでもファイル操作できる機能が欲しい
  • GoogleやMicrosoftに依存したくない

日本語環境の場合、仕事で使うのは厳しいですが、プライベートなファイルの置き場所にするなら、何かと便利です。

ちなみに、筆者の使い方は次の通りです。

  • 家族写真や動画など、今すぐ使わない大容量ファイルの置き場所として永久利用
  • 原稿やサイト管理のアーカイブ置き場
  • 重要なPDF書類や地図、宿泊予約のレシートなど、オフラインで管理(WiFiが繋がらなくても慌てない)
  • 一括払い・永久使用なので、請求書の心配をせずに済む(高額に感じるのは初回だけ)
  • メルアドとパスワードだけでログインできるので、何かの時に安心
  • OneDriveやGoogle Driveの二重認証の場合、万一、自分が死んだりした時、家族がログインに困ることになる。

pCloud Premium

誰かにこっそり教えたい 👂
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次