『NanaTerry』について
日本は個人的に物を書く人が多い割に、日本語向け(縦書き)ライティングツールは残念なほど乏しいですよね。
プログラミング用のエディタは手軽で高機能なものが揃っていますが、文章用となると、実際に使いこなせるアプリは限られてきます。
そんな中、地道に開発が続いているのが、無料アウトラインプロセッサ『NanaTerry』。
窓の杜などでも詳しく紹介されていますが、見た目のシンプルさとは対照的に、機能はフル装備。
テキストだけでなく、画像の挿入やEVERNOTEへの送信なども出来て、フリーウェアとは思えないほど充実しています。
https://forest.watch.impress.co.jp/library/software/nanaterry/
窓の社でもダウンロードできますが、どうせなら作者さんのホームページを訪問してあげましょう。
ソフトウェアもOneDriveの共有フォルダで一般公開されています。
https://blog.goo.ne.jp/kennyterry
ざっくりインターフェイスはこんな感じ。起動もめちゃくちゃ速いです。(アプリ自体、1.7MBほど)
設定ファイルはプログラムのフォルダ内に格納される為、ポータブルで携帯も可能。
文書ファイル(.nna)と一緒に持ち歩いたり、オンラインストレージで共有もできます。
設定画面。初心者にも非常に分かりやすいです。(『ツール』→『設定』で呼び出す)
「NanaTerry』の良い点
初心者でもすぐに使い始めることができる
NanaTerryの長所は、『インストールしたら、すぐに使いこなせる』という点でしょう。
高機能を求めるなら、『Scrivener』がおすすめですが、ぱっぱと思い付きで書き進めたい方にはNanaTerryの方がはるかに便利。
Scrivenerの場合、あれもこれも機能が備わり過ぎて、マスターするのに時間がかかるし、アプリのカスタマイズにはまって、かえって気が散るという欠点もあります。
その点、NanaTerryは、「テキストをツリー形式で整理して、保存する」という最低限の機能なので、ぱっぱと作業が進みます。
タッチ&ゴーのスピード感をお求めの方には、NanaTerryを強くおすすめ。
私も最初の下書きはNanaTerryです。
下書きだけなら、数週間ぐらいで終わっちゃいますよね^^;
ツリー形式で整理するので、前後の入れ替えも楽々。
キー割付で簡単操作
キー割付すれば、ショートカットキーだけでノードの移動ができます。
他にも、全てのメニューにショートカットキーの割付が可能です。
フォント設定: リッチエディタとして
エディタやメニューのフォント設定にも難しいスキルは必要ありません。
プレビューで実際の表示を確かめながらフォント設定できるので、便利です。
ちなみに書式設定の種類はこれだけあります。ほとんどMicrsoftのWORDと変わらない。
後で見直したいもの、とりあえず削除するものは、色分けや消去線などで区別しておくと編集に便利ですよ。
頻回に使うスタイルや文字色などは、『ツール』→『ユーザアクションの設定』に記憶させると便利です。
ユーザアクションに記憶したら、キー割付を設定しましょう。
ショートカットキーだけで文字色やフォント変更できるようになります。
テキストの一行目が自動的にノードのタイトルになる
私がNanaTerryの中で一番気に入ってるのがこれ。
テキストの一行目を自動的にノードのタイトルに設定してくれる機能です。
メモを作成するのは便利だけど、いちいちタイトルを考えるのが面倒ですよね。
後で見直した時、タイトルと中身がまったく結びつかなくて、何度も検索する方も少なくないのでは。
NanaTerryの場合、「本文一行目をタイトルとしてツリーに反映させる」にチェックを入れれば、最初の行が自動的にタイトルとして入力されます。何も考えずに、どんどんテキストを書き溜めたい場合に重宝します。(『ツリー』→『2』で設定可能)
画像の貼り付けができる
文章を書くにあたって、参考にした画像や図解、URLなどを、同じ画面にクリップしておくと後々まで役に立ちます。
NanaTerryはクリップボードから画像を引っ張ってこられるので、簡単な資料集としても活用できます。
画像の大きさを設定しておけば、自動的に縮小して貼り付けてくれるので、大きな画像を引っ張る時も、いちいちリサイズする必要がないので、非常に便利。
外部エディタと連動 : テキスト形式で出力
外部エディタを設定して、その部分だけテキストで編集することも可能。
NanaTerryで編集した文書は.nnaファイルとして保存されますが、テキスト形式でのエクスポートも可能。
テキストエディタで表示すると、ちゃんとテキストだけがプレーンな形で出力されています。
ツールバーのカスタマイズ
ツールバーのカスタマイズも簡単です。『ツール』→『ツールボタンの表示設定』で、必要なものを選択するだけ。
ツールバーよりはキー割付の方が便利ですけどね。
下書きはノンストップで : 思い付くままにメモしよう
(人にもよりますが)下書きはノンストップでがんがん書くのがおすすめです。
下書きを始めるうちに、思いもしなかった展開がどんどん出てきて、自動的に枝葉が広がりますから(^^)
最初にプロットをきっちり立てて、それに添って綿密に書くタイプもありますが、小池一夫先生いわく『キャラ立ち』が出来る人は、あまり深く考えない方が、かえってスムーズに運ぶかも。
私も勝手に喋らせて、勝手に行動させて、知らない間に決着ついちゃうタイプなので、Scrivenerみたいにガッチリしたツールより、NanaTerryみたいに軽量で、思い立った時にすぐ書き下ろせるツールの方が向いてるみたいです。
いろいろ使い比べて、お気に入りのものを見つけて下さい☆