TOWER SF医療ファンタジー

作中に登場する技術とアイテム / 参考URL

『TOWER』に登場する技術とアイテムについて紹介しています。
作品のあらすじとキャラクター紹介は、作品の概要に掲載しています。

遺伝子保存プロジェクト

生物の大量絶滅に瀕し、世界中の知性が結集して、全生物のゲノム情報と生体細胞を保存するプロジェクトを立ち上げる。
膨大なゲノム情報は『GEN MATRIX(ゲン・マトリックス)』と呼ばれるサイエンス・グリッド(詳しくは記憶媒体『ゲマトリアンクォーツ』)に刻まれ、植物の種子や生殖細胞は高緯度に建設された超高層ビル『TOWER』上層階にバイオバンクに保存される。地上が動植物の成育に適した環境に戻れば、順次、再生されるはずだった。

GEN MATRIX(ゲン・マトリックス)

遺伝子保存プロジェクトの基幹となる世界的なサイエンス・グリッド。サイエンス・グリッドとは、複数のコンピュータをイントラネットで接続し、共通のミドルウェアを用いて、スーパーコンピュータを超える高速演算処理能力を実装するものである。
GEN MATRIXは、研究施設のコンピュータを繋ぐネットワーク、及び研究システムの総称であり、その用途はDNA解析のみならず、遺伝情報データベースの高速検索、研究用プログラムの開発、タンパク質の立体構造予測に至るまで幅広い。
GEN MATRIXを究めれば、合成人間の聖像やデザイナーベビーの創生も可能と言われており、ゲノム情報が刻まれた『ゲマトリアンクォーツ』と併せて、デジタル世界の創造主でもある。

ゲマトリアンクォーツ

全生物のゲノム情報が記録された石英ガラス。外部記憶媒体であり、GEN MATRIXと接続することで、データの読み書き可能になる。高さ240センチ、横幅144センチ、厚さ48センチ。400ゼタバイトを超えるデータの書き込みが可能。
ゲノム情報は、「1」と「0」からなるドットデータとして、超短パルスレーザーで石英ガラスに刻まれる。
「1」がドット有り、「0」がドット無しで、アデニンの「A」は『01000001』、グアニンの『G』は『01000111』となる。
データの読み取りには、『ゲマトリア』と呼ばれる特殊な読み取り装置が必要で、光学顕微鏡を使ってドットの配置を読みとり、ドットの配置=バイナリコードを英数字(ラテン文字)に変換することで、ゲノム情報が復元される。

ゲマトリア

ゲマトリアンクォーツに刻まれたドットデータを読み取り、英数字(ラテン文字)に変換する装置。機械自体は単純だが、変換プログラムに問題が生じ、めちゃくちゃな文字列を吐き出すようになった。ゲマトリアがなければ、ゲマトリアンクォーツに刻まれた膨大なゲノム情報も意味を成さない為、復旧が急がれている。

タワーの設計図

膨大なデータからなるタワーの3D設計図。オリジナルはゲマトリアンクォーツに記録されているが、ゲマトリアのエラーによって読み取ることができない。また政府が管理していた設計図も、≪隔壁≫を締め切った時に60億に分割され、復元することができない。唯一の手がかりは、システム管理者のヘムが遺した復元ツールと、『エゼキエル』と呼ばれるDNAモデルだけである。

神の遺伝子

人間の免疫機能を極言まで高めると言われる究極の遺伝子。長寿村の住人に顕著に見られる。

エゼキエル

60億に分割されたタワーの設計図を復元する鍵となる、謎のDNAモデル。「女性」という以外、誰のものかは分からない。
ヒトゲノムに関するGENBOOKに収録されており、ゲマトリアンクォーツに刻まれた数少ないヒトゲノムの一つ。

アラル語

神の言語といわれる古代文字。ヘブライ文字に似たユニークな字体で、アラビア語と同じように右から左に読む。過去に多くの聖書や伝道記録書がアラル語で記述され、南方のアラル地方を中心にかなりの話者が存在した。150年前、強制的にラテン文字に置き換えられ、その際、高度な言語変換ツールや暗号術が生まれた。しかし、武力衝突により、アラル語を理解する者は片っ端から捕らえられ、虐殺された経緯がある。ゲマトリアの変換プログラムの修復の鍵となる言語。

引用・参考文献

・『創世記(旧約聖書)』 (岩波文庫) 関根正雄・著
・『河本宏研究室』(免疫のしくみを学ぼう)
 http://kawamoto.frontier.kyoto-u.ac.jp/public/public_Top.html
『ヘルパーT細胞がキラー様T細胞へ変化』理化学研究所 2008年2月8日
『110歳以上の超長寿者が持つ特殊なT細胞』理化学研究所 2019年11月13日
『老化と免疫』 磯辺健一・伊藤佐和子・西尾尚美 (日老医誌)2011年
『老化と免疫』広川勝昇(化学と生物 vol.36)1998年
『寄生虫症における遺伝子検査の意義』阿部仁一郎 (生活衛生 vol.50)
『遺伝子解析技術を活用した感染症診断の実践』大楠清文・江崎孝行 (日本小児感染症学会教育講演) 2013年
『感染症診断における遺伝子解析技術の適応』大楠清文・江崎孝行 (日本臨床微生物学界)平成20年8月6日
『産業動物における血液塗抹標本・細胞診の評価法』根尾櫻子 2019年1月23日・受理
『血液薄層塗抹標本におけるマラリア原虫感染赤血球の形態学的変化』日置敦巳・大友弘士 (感染症学会雑誌 第67号 第10号)平成5年10月20日
『病原ウイルスを分離・同定するということ』久保英幸 (生活衛生 vol.50)2006年
『DICを合併した重症熱帯熱マラリアの一症例』宜野座到・淵上竜也・照屋孝二・垣花学・須加原一博 (日臨床会誌 vol.30)2010年
『細菌性疾患』梅毒ー現代の梅毒2018 福島一彰・今村顕文 (モダンメディア 64巻8号)
『脾腫の診断』藤井高明(血液と脈管 第3巻 第3号) 昭和47年3月
『形を見ることの大切さは、これからも変わらない』SI NEWS 日立ハイテク
 https://www.hitachi-hightech.com/jp/sinews/special/010/
『共生性渦鞭毛藻 Symbiodinium と寄生性アピコンプレクサのゲノム進化』將口栄一(植物科学最前線)2017年
『Babesia microti の正体を探る バベシア症(ピロプラズマ症)とは』石原智明(酪農学園大学)
『石英ガラスの内部にCD並み容量のデジタルデータを記録・再生する技術を開発 -数億年のデータ保存に耐えるデジタルアーカイブを実現』日立製作所 2012年9月24日
『バイオインフォマティクスの技術動向』乃木薫・香月祥太郎(Science & Technology Trends)2003年1月
『バイオインフォマティクスの現状と動向』清水謙太郎(i-NET)
『ゲノムアノテーション』(生命情報科学専門実習Ⅱテキスト)文部科学省委託研究開発事業 総合データベースプロジェクト
『ゲノムアノテーションウェブサービスMEGANTEの果樹への応用』伊藤剛・沼寿隆 (第一章 ゲノム情報とバイオインフォマティクスツール)
『次世代シーケンサーデータの解析手法 第9回 ゲノムアノテーションとその可視化、DDBJへの登録』谷澤靖洋・真島淳・藤澤貴智・李慶範・中村保一・清水謙太郎・門田幸二(Japanese Journal of Lactic Acid Bacteria)
『ゲノム機能解析のためのデータベースKEGG』五斗進(計測と制御 第53巻 第5号)2014年5月号
分子生物学講義『第4回 ゲノムと遺伝子』荒牧弘範
『分子生物学の基礎と配列データベース』川端猛(近畿大学・農学部・生命情報学) 2010年4月13日

Special Thanks

サラ・ブライトマンの名曲『Angel』

アドナのイメージはこの曲から生まれました。

I am your shadow わたしはあなたの影
I am your rain わたしはあなたの雨
I am your longing わたしはあなたの願い
A little of your pain わたしはあなたの痛み
I am red わたしは赤
I am blue わたしは青
I am your angel わたしはあなたのエンジェル
I am in you… わたしはあなたの中にいる

I am your madness わたしはあなたの狂気
I am your tears わたしはあなたの涙
I am your sadness わたしはあなたの悲しみ
And I am your fears わたしはあなたの恐れ
I am restless わたしはあなたのもやもや
I am your dreams わたしはあなたの夢
I am the moments わたしはあなたの刻
In between…

Angelは、スティンが夢見る「エゼキエル」のこと。
彼が夢見ていたDNAのモデルは、まさにアドナでした。

『Anagel』は、サラ・ブライトマンのコンテンポラリーアルバム『Dream Chaser』に収録されています。Angelもいい曲ですが、『B 612』も幻想的で美しい曲です。アドナが天国に昇っていくイメージです。Spotifyで無料で視聴できます。

https://open.spotify.com/embed/album/6OegVKLK1RBv9atU1foPvT?utm_source=generator

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