人と社会– tag –
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作品に罪はあるのか。非凡人は法律を超える権利を有するのだろうか。
マイケル・ジャクソンの性的暴行容疑に思う。有名人の犯罪は「非凡人」ということで許されるのか。作品に罪はないのか。ドストエフスキーの名作『罪と罰』の「非凡人は法も踏み越える権利を持つ」というラスコーリニコフの思想をベースにしたコラム。 -
人は労働を通して社会的存在になる ~カール・マルクスの哲学
人間は労働を通して社会的存在になる。社会的存在とは、自分一人の世界の中ではなく、人々との交流の中に生きているということである。労働者革命の一大潮流を生み出したカール・マルクスの名言を紹介。今マルクスを読むべき理由や思想についてのコラムです。 -
現代に生きるためには、無垢な心がどのような報復をうけねばならないか 映画『シベールの日曜日』
ガラス玉を星のかけらと思い込める感受性は、その星のかけらの鋭い刃先でみずからの心を傷つける。現代の生きづらさの正体と人間の感受性に関する文芸コラム。 -
罪の意識と良心の罰はいかに育まれるか ~新興宗教団体の犯罪から考察
学生時代、繁華街から帰ってきた同級生が「駅前で面白いものを配ってたよ」と一冊のパンフレットを見せてくれました。 ページを開いてみると、 「君には人生の目的がありますか?」 「充実した毎日を過ごしていますか?」 「本当に親しい友だちはいますか... -
君も囚われのプレイヤー 押井守の映画『アヴァロン』
凄腕のゲームプレイヤー・アッシュはオンライン戦闘ゲーム『アヴァロン』の深部に入り込み、驚愕の事実を知る。仮想現実を舞台にした作品の魅力を『意識』と『認識』の両面から解説。ポーランド語の主題歌『ログオフ』の日本語訳や作中に登場する小物について画像付きで紹介しています。コラム『アヴァロンと現実社会とメタバース』『君も囚われのプレイヤー』 -
自己主張にも言葉のスキルが必要 映画『ストレイト・アウタ・コンプトン』
ヒップホップを通じて貧困問題や人種差別を訴え、全米の若者の心を鷲づかみにした伝説のグループ『N.W.A』。早逝したイージー・Eや、ドクター・ドレ、アイス・キューブらの青春模様をスタイリッシュなライブ映像で描く伝記映画を動画・Spotifyを交えて紹介。コラム『自己主張にも言葉のスキルは必要』と併せて。 -
青春と革命は相性がいい 三好徹『チェ・ゲバラ伝』 ~青春期の情熱と信念を貫いて
裕福なアルゼンチンの家に生まれ、喘息というハンディすらもつチェ・ゲバラは南米の貧困問題や独裁に心を痛め、盟友カストロと共にキューバ革命を達成する。青年期の疑問や情熱を生涯持ち続けたゲバラの生涯と感動的な『別れの手紙』を紹介。優れた言論人であり詩人でもあるゲバラの一面が窺える良書。『フィデル・カストロへの手紙~祖国か死か』『両親への手紙~信念を証明する』『不正に敏感であれ』『青春と革命は相性がいい』 -
漫画『DEATH NOTE』 なぜ人を殺してはいけないのか
DEATH NOTEによって死神の力を手に入れた優等生・夜神ライトは、世直しと称して悪人の削除を繰り返すが、最後は手当たり次第に邪魔な人間を抹殺する大量殺人犯となる。「非凡な人間は法をも超える権利を有する」というドストエフスキーの『罪と罰』の世界観を交えながら、人が一方的に人を裁くことの危うさを説くコラム。『 優れた人間が悪い人間を削除していい、という考え方』『ライトの考えは独裁と同じ』『裁きは神の領域 ~神だけが本当の善悪を知っている』 -
『かもめのジョナサン』と群れを愛そう ~孤高と孤立の違い
かもめのジョナサンは漁港と岸の間を往復する生き方に疑問を抱き、一人で極限速度を目指して群れから追放される。やがてジョナサンは飛行法を極め、最高の生き方を伝授したいと願うが、群れに無視される。一方、ジョナサンに共感する弟子たちは彼を神祖と崇め、間違った方向に突っ走る。現代の自己啓発ブームの先が駅となった小説を五木寛之が鋭く分析。本作の危うさと若者心理に関するコラム。 -
マリー・アントワネットの負けの美学 ~オーストリア女に生まれ、オーストリア女として死す
フランス王家に嫁いでも、死ぬまで「オーストリア女」とみなされ、革命においては憎悪の対象となったマリー・アントワネットの無念と、安達正勝氏の著書より最後の様子を紹介。美しく負けることにこだわったマリーの生き様が感じられます。