ホラー&サスペンス– tag –
-
愛すべきキャラクター「リスベット」二大女優の個性が光る 『ドラゴン・タトゥーの女』
複雑なパーソナリティを有する天才ハッカー、リスベットは、虚偽の汚名を着せられたジャーナリスト、ミカエルと組んで、大富豪から依頼された少女失踪事件の解明に挑む。謎解きよりもリスベット・サランデルというキャラクターの造形に情熱が感じられる秀作。 -
人生とは霧の中を走るが如く 映画『ミスト』(スティーヴン・キング原作)
霧の中に奇怪な生物が現れ、人々が襲われる。スーパーに閉じ込められたデヴィッドとビリーは必死で逃走を図るが、一人また一人と命を落とす。疑心暗鬼に陥る人々の心理面にフォーカスした恐怖ドラマ。不条理なエンディングは映画史に残る衝撃である。コラム『人生とは霧の中を走るが如く』と併せて。 -
悪魔は嘘に巧妙に真実を織り交ぜる 映画『エクソシスト』
悪魔の言うことに耳を傾けてはならない。悪魔は嘘つきで、真実を嘘に巧妙に織り交ぜる。現代の悪魔は言葉の中に潜み、弱った人の心に囁きかけて搾取する。ポスターの元となったルネ・マグリットの名画『The Empire of Lights』と併せて。 -
老いらくの恋こそ盲目 ~人生の結果をいかに引き受けるか 映画『鑑定士と顔のない依頼人』
美術鑑定士ヴァージルは若い令嬢から美術品の競売を依頼される。顔を見せない依頼人に次第に心惹かれるが、そこには巧妙な罠が仕掛けられいた。老いらくの恋で嘘が見抜けなかった老人の悲哀を描く。 -
ヒポクラテスの誓いと良心の呵責 『殺意の誓約』(2016年)
優秀な外科医フィンヌルは娘アンナの恋人がヤクの売人であり、娘も薬物依存症であることを知って、別れを迫るが、逆に手切れ金を寄越せと脅される。切羽詰まったフィンヌルは、恋人を拉致し、殺害することを計画するが、意外なところからアリバイが綻び始める。 -
金か、命か 大富豪の醜怪な内面を描く 映画『ゲティ家の身代金』
世界一の富豪ポール・ゲティ石油王の孫が誘拐される。犯人は巨額の身代金を要求するが、ゲティは支払いを拒否。苦悩する母親アビゲイルは粘り強く交渉を続けるが、誘拐された孫の耳が新聞社に送りつけられて、事態が一転する。#1000文字 映画評 -
現代の魔女狩りとキャンセルカルチャー 映画『アダムス・ファミリー 1 & 2』(1991年~1993年)
ブラックユーモアとゴシックホラーが融合したコメディで一世を風靡した映画『アダムス・ファミリー』も、キャンセルカルチャーの嵐が吹き荒れる現代にはとても放映できないというコラム。#1000文字 映画評 -
お説教ホラー映画『ソウ』 が失敗した理由 ~死のトラップを克服しても、人間は変わらない
被害者を拷問にかけ、Live or Die. Make your choice(生きるか、死ぬか、決断しろ)の名台詞で命の尊さを悟らせる猟奇殺人犯ジグソウ。だが死と向かい合った者は本当に改悛し、生きることに感謝するようになったのか。異色のシリーズ作の特徴を動画で紹介。コラム『死のトラップを克服しても、人間は変わらない』 -
心の醜悪は外見に現れる ~嫉妬に狂った男の悲劇 映画『ザ・フライ』
天才科学者セスは物質転送機『テレポッド』の開発に成功するが、恋人の過去に嫉妬するあまり、自棄を起こして、自らを実験台にする。だが、ポッドの中には一匹のハエが紛れ込んでいた。 -
神を笑うなかれ 修道院ゴシックホラーの傑作『薔薇の名前』 ショーン・コネリー主演
ゴシックホラーの異色作。高邁な修道僧ショーン・コネリーと若きクリスチャン・スレーターが厳格な修道院で起きる連続殺人事件に挑む。殺害の理由には中世キリスト教における『笑い』が秘められていた。なぜ僧は笑いを禁じられたのか、笑いと神にどんな関係があるのか、映画のスクリーンショットを交えて解説するレビュー。
12