海外の文学– tag –
-
『絶望名人カフカの人生論』の概要 ~光がこの世の全てではない
カフカの根暗な言葉ばかりを集めた『絶望名人カフカの人生論』の内容と感想、カフカのお勧め本やカフカを再読するまでの経緯を綴った文芸エッセーです。 -
疎外する家族と厄介者の息子 グレーゴル・ザムザは本当に『虫』になったのか ~フランツ・カフカ『変身』
朝目覚めるとグレーゴル・ザムザは巨大な虫に変身していた。父には疎まれ、母はおろおろするばかり。厄介者となったグレーゴルは家族に疎外され、一人淋しく死んでいく。ファンタジーでありながら、人間の内面をありのままに描く近代文学の傑作。作品の見どころとカフカの生い立ちに関する解説を紹介。『病気になっても通勤の心配 / 断絶こそ安らぎ / 罪のリンゴ、本音の赤 / 一つの家族が幸福になるには、一人の犠牲が必要』など。プラハのカフカ博物館のギャラリーと併せて。 -
映画と原作から読み解く『ゴッドファーザー』三部作 ~人生を支える第二の父親とは
「世の中はつらいことだらけだから、二人の父親に面倒をみてもらわなければ生きていけない。そんな意味合いから、名付け親(ゴッドファーザー)というものが生まれたのです」ドン・コルレオーネと三人の息子らの宿命を描いた名作の世界観を原作の抜粋と動画で紹介。 -
幸せ待つ間が「幸せ」 フランツ・カフカの寓話『皇帝の使者』
いつまで待っても現れない皇帝の使者。それは待つ者にとって悲劇なのか。待つ間こそ本当の幸せがあるというたとえ話。カフカの寓話より。 -
男は知っていることを言い、女は人を喜ばせることを言う 。・゚・(´∀`*)゚・・ ルソーの『エミール』より
ジャン・ジャック・ルソーの名著『男は知っていることを言い、女は人を喜ばせることを言う』をモチーフに男女のすれ違いを考察。男女は決して話し合うべきではないという文芸コラム。 -
イワンとアリョーシャの兄弟愛 江川卓の『謎とき カラマーゾフの兄弟』より ~桜んぼのジャムのエピソード
イワンとアリョーシャが大審問官について語り合う場面に登場する『桜んぼのジャム』を実際にロシアで食して感激した江川先生のエピソードを紹介。天国への入場券をつつしんでお返しするというイワンの心情と、カラマーゾフの血を受け継ぐアリョーシャの皇帝暗殺に関するコラムです。 -
ドストエフスキーの生涯と執筆の背景 ガリマール新評伝より ~葛藤する限り、人は神と共にある
難解・冗長で知られるドストエフスキーはどんな時代に生まれ、何に影響を受けて作家活動を開始したのか、ロシア史、文学史から読み解く詳伝より見どころを紹介。賭博、借金、投獄、女、波瀾万丈の人生の中でもロシアの行くべき道を模索し、人類の処方箋を探し求めたドストエフスキーの深い知性と義侠心がひしひしと伝わってくる良書。 -
人は二度生まれる。一度目は存在する為に。二度目は生きる為に。
ジャン・ジャック・ルソーの名著『エミール』の「わたしたちは、いわば、二回この世に生まれる。一回目は存在するために、二回目は生きるために」の名言にまつわるコラムと十八歳の旅立ちをテーマにした小説の抜粋。 -
『生き続けて行け。きっとわかって来るだろう』 ゲーテの格言より
「われわれには理解できないことが少なくない。生き続けて行け。きっとわかって来るだろう」ゲーテの格言をモチーフに生きる意味と希望について綴る心のコラム。 -
『死』は最後に訪れる救済だから、僕たちはどんな風にでも夢見ることができる ~カフカの日記より
「すでに子供のころから見えていた、いちばん近い逃げ道は、自殺ではなく、自殺を考えることだった」逃げ道のない子供にとっては、死や自殺について空想することが時には心の救いになるという例え話。 -
肉体の声に耳を傾け、自分に素直に生きる D・H・ロレンスの名作 『チャタレイ夫人の恋人』
上流階級のコニーは半身不随となった夫に振り回され、疲れ切っていたが、森番メリーズと知り合って、生きる歓びを取り戻す。猥褻か、芸術かで裁判沙汰になったD・H・ロレンスの性愛小説。過激な性描写と思われがちだが、本質は、肉体を通じた男女の愛と、ありのままに生きる大切さを謳った人生賛歌である。小説の抜粋とショーン・ビーン主演のTVドラマを動画で紹介。 -
知見は時に絶望しかもたらさない カフカ寓話集『ロビンソン・クルーソー』
もしロビンソン・クルーソーが見晴らしのいい一点に留まり続けていたら、いち早くくたばっただろう――フランツ・カフカの寓話より。よく知ることが必ずしも人間を幸せにするわけではないというコラム。