底辺にしか分からぬ感情がある 映画『モンスター』(2003年) シャーリーズ・セロン主演 By MOKOIn 映画2023年11月2日 底 自己責任か、境遇か。シャーリーズ・セロン演じる連続殺人犯アイリーン・ウォーノスは一見、無節操・無計画に見えるが、底辺には底辺の苦しみがあり、自己責任では割り切れないものがある。アカデミー賞に輝いた捨て身の熱演を画像付きで解説。『みんな私のことを、生き残ることしか考えないクズと思ってる。私には”選択肢”がなかった』
本当の『鬼畜』は誰? 松本清張の描く「子捨て」と「子殺し」 By MOKOIn 文学・神話・キリスト教2023年10月23日 本 愛人と生活費で揉めた宗吉は三人の子どもを押しつけられ、妻・お梅の怒りを買う。途方にくれた宗吉は子どもを捨てることを思い付く。宗吉とお梅も人面獣心の鬼畜かもしれないが、幼い三人の子どもを置き去りにした愛人・菊代はどうなのか。松本清張の小説の抜粋と併せて紹介。
映画『LIFE! / ライフ』 25番のネガが意味するもの / インスタ世代と自分の目で見る大切さ By MOKOIn 映画2023年9月19日 映 失われた25番のネガが意味するもの ベン・スタイラー主演・監督の映画『LIFE』(ライフ)は、不思議な作品だ。 いわゆる感動ドラマではあるが、脚本はいまいち掴み所がないし、お涙頂戴の展開もない。登場人物も、「普通っぽい」役者ばかりで、取り立てて魅力はないし、主人公ウォルターのエピソードもどこまで本当か分からない。最後は禁断の夢オチで終わるのではないかと心配になるほどで、中には退屈して離脱する人もあるのではないだろうか。 それでも最後まで視聴せずにいられないのは、著名なフォト・ジャーナリスト、ショーンの撮影フィルムから抜け落ちた「25番」のネガが何なのか、気になって仕方がないからだろう。...
自己主張にも言葉のスキルが必要 映画『ストレイト・アウタ・コンプトン』 By MOKOIn Pops & Jazz2023年9月18日 自 ヒップホップを通じて貧困問題や人種差別を訴え、全米の若者の心を鷲づかみにした伝説のグループ『N.W.A』。早逝したイージー・Eや、ドクター・ドレ、アイス・キューブらの青春模様をスタイリッシュなライブ映像で描く伝記映画を動画・Spotifyを交えて紹介。コラム『自己主張にも言葉のスキルは必要』と併せて。
悪女 VS キャリアウーマン 事件の印象が証言を左右する 松本清張の『疑惑』 By MOKOIn 文学・神話・キリスト教2023年9月18日 悪 一台の車が埠頭から海に突っ込み、鬼塚球磨子は救助されるが、車内に取り残された夫の白河福太郎は死亡する。前科四犯の毒婦の先入観から、球磨子の犯行という前提の元に裁判が進むが、彼女の弁護を引き受けた佐原律子の鋭い推理により、思いがけない事実が明らかになる。桃井かおりと岩下志麻、二大女優が火花を散らす野村芳太郎監督の傑作。小説と映画の違いを併せて紹介。
映画と原作から読み解く『ゴッドファーザー』三部作 ~人生を支える第二の父親とは By MOKOIn 文学・神話・キリスト教2023年9月18日 映 「世の中はつらいことだらけだから、二人の父親に面倒をみてもらわなければ生きていけない。そんな意味合いから、名付け親(ゴッドファーザー)というものが生まれたのです」ドン・コルレオーネと三人の息子らの宿命を描いた名作の世界観を原作の抜粋と動画で紹介。
もう二度と飢えに泣かない 映画『風と共に去りぬ』とスカーレットの強さ By MOKOIn 映画2023年4月17日 も Tomorrow is another day (明日に望みを託して)が有名だが、第一部のエンディング、戦争に負けて、初めて人生の苦難を知ったスカーレットが荒廃した大地に立ちあがり、『神様を証人に誓う。もう二度と飢えに泣きません』の台詞も素晴らしい。女性が強く生きること、海外作品を英語で読み解く面白さを紹介。人種差別のキャンセルカルチャーに対する私見も併記しています。
若者に幸福な朝は訪れるのか 今宵の愛を歌う『トゥナイト』と『ウエスト・サイド・ストーリー』 By MOKOIn 映画2022年9月7日 若 昭和の名作ミュージカル『ウェストサイド物語』を色彩感あふれる映像で現代的にアレンジしたスティーブン・スピルバーグ監督の傑作。アカデミー賞を受賞した圧倒的な群舞に目が釘付けになる。今この時代古典的な恋を描いた監督の意図は何だったのか。象徴的なエンドロールを中心に解説。2021年と1961年の群舞の違いを動画で紹介。
映画『ペレ 伝説の誕生』 アイデンティティと自信喪失の時代を自分らしく生きる By MOKOIn 映画2022年3月20日 映 サッカーの神様ペレの誕生にはブラジルの国民性を象徴する『ジンガ』の動きがあった。欧州風のフォーメーションプレイに従うよう強要され、自分のプレーを見失うが、ジンガこそ自らのルーツと思い定め、ブラジル国民の願いを体現する。コラム『スポーツと国家の威信 : 伊藤みどりさんの活躍を振り返る』
主よ 私を平和の道具にして下さい 映画『15時17分、パリ行き』 By MOKOIn 映画2022年3月20日 主 パリ行きの高速鉄道で起きたタリス銃乱射事件に居合わせた青年三人は小学校時代から落ちこぼれだった。軍人となったスペンサーは自らの役割を見出し、心身を鍛えながら、天の道具として能力を生かせる機会を待つ。キリスト教精神に支えられた青年たちの心の成長と活躍を描く人間ドラマ。コラム『なぜ死ぬことによって永遠の命を得るのか』『天命に生きる意味と信仰の奇跡』『キリスト教精神と無我の境地』