一生に一度だけ、誰でも詩人になる

人は一生のうちで一度だけ、誰でも詩人になるものである。だが、やがて「歌のわかれ」をして詩を捨てる。そして、詩を捨て損なったものだけがとりのこされて詩人のままで年老いてゆくのである。
私もまた、詩を捨て損なったにがい心をいだきながら、群衆の中におし流されていきつつある。
だが、もし船出にまにあっていたら、私は冒険家になりたかったのである。

《ポケットに名言を》 角川文庫

若者の青臭い文章を揶揄する言葉に『ポエム』がある。
本来、「韻文」を意味する言葉が、良い方に使われることはめったになく、そこには常に侮蔑と嘲笑が漂っている。

現代においては、愛と正義に心を燃やしたり、月夜に涙するようなセンチメンタルは、世間知らずの代名詞のように思われているが、

若者の書いた青臭い文章を揶揄するのに『ポエム』という言葉がある。本来、韻文を意味この言葉が良い方に使われることはめったになく、そこに漂うのは限りなく侮蔑の響きだ。現代においては、理想を青空にたとえたり、月夜に涙を浮かべたり、恋人同士が手も握らず、恋文だけで満足するような世界観は恥ずかしいらしい。

だけども、夢があるからゲームが始まるし、正義を重んじる心があるからルールを守ることができる。
青臭いポエムこそ世界の礎ではないか。

いつかゲームに疲れ果て、夜空を見上げる時、ポエムと馬鹿にした過去があなたを嗤うだろう。
月明かりは永遠に続くが、ゲームで勝ち得たものなど、すぐに忘れ去られてしまうからだ。

記: 2021年9月14日

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