映画– category –
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楽天こそ才能 インドの教育熱と前向き思考を描く青春映画『きっと、うまくいく』
インドの工科大学に学ぶ3人のルームメイトの生き様を通して、過熱教育や競争社会の弊害を描くコメディ映画の傑作。『すべてうまくいく』の楽天思考で生き抜くランチョーの姿が印象的。ダンスあり、ギャグありのエンターテイメントでありながら、ビジネスと学術のグローバリズムについて考えさせられる良作。コラム「自己肯定感の低下は高い能力も腐らせる」「楽天性を身に付けるのは難しい」「悲観的な秀才10人より、楽天的な凡人100人の方がいい仕事ができる」 -
神は言葉なり 真理が世界を支配する 映画『ザ・ウォーカー』
世界を支配する『一冊の本』をめぐって、旅人イーライと悪党カーネギーが激突する。イーライの美しい言葉に心ひかれた少女ソラーラは行動を共にするが、カーネギーに捕らえられ、イーライも絶体絶命に陥る。キリスト教の世界観をベースに描く近未来アクションの見どころを画像と動画で紹介。コラム『神は言葉なり~真理が世界を支配する』と併せて。 -
獣性という名の悪魔 映画『蠅の王』(1990年)
無人島に不時着した少年たちが次第に人間性を失い、逆らう者を襲撃するようになる。現代文明との対比が素晴らしい。大人不在の子供社会の異様さを如実に描く衝撃のドラマ。 -
映画『ファム・ファタール』運命の女とショパールの蛇
この記事にはエロティックな描写が含まれます。年少者はご注意下さい。 【ファム・ファタールの魅力】 世界的名画という訳ではないけれど、見終わった後、いつまでも不思議な余韻が続いて、忘れられなくなる映画がある。 2002年に公開されたブライアン・デ... -
映画『復活』(RISEN) 復活とは何か ~12人の弟子と信仰の奇跡
イエスが磔刑に処されると、ピラト総督は『復活』を恐れて、百人隊長クラヴィウスに遺体を見張るよう命じる。だが遺体は忽然と姿を消し、イエスが復活したという噂が広まる。クラヴィウスは12人の弟子の後を追い、信じられない光景を目にする。『復活』とは何を意味するのか、12人の弟子の内面に着目した良質な宗教ドラマ。 -
女は強く、賢く ヒロインの源泉 ~リプリーからワンダーウーマンまで
20世紀を代表するヒロイン、シガニー・ウィーバー(リプリー)と、21世紀を代表するヒロインが並び立った2020アカデミー賞授賞式。リプリーはそれまでヒーローの添え物のようだったヒロイン像を覆し、闘う女性の姿を確立した。 -
ネタバレ・サイトをちょっとだけ擁護する ~結末を先に知りたい人々
昨今、問題視されているネタバレ・サイト(ファスト動画も含む)ですが、利用する人の動機もさまざまで、それを生み出す背景を理解しない限り、根絶するのは難しいと思います。 何故なら、需要がある限り、供給も続くからです。 そこで、ネタバレサイトに... -
アイデアはどこからやって来るのか ~大友克洋の『AKIRA』より
アキラとは、絶対的なエネルギー サイバーパンクで有名な大友克洋のアニメ映画『AKIRA』の映画版にこんな台詞があります。 前にリュウが言ってたわ。アキラって、絶対のエネルギーなんだって。 人間ってさあ、一生の間にいろんな事をするでしょう。何かを... -
もう二度と飢えに泣かない 映画『風と共に去りぬ』とスカーレットの強さ
Tomorrow is another day (明日に望みを託して)が有名だが、第一部のエンディング、戦争に負けて、初めて人生の苦難を知ったスカーレットが荒廃した大地に立ちあがり、『神様を証人に誓う。もう二度と飢えに泣きません』の台詞も素晴らしい。女性が強く生きること、海外作品を英語で読み解く面白さを紹介。人種差別のキャンセルカルチャーに対する私見も併記しています。 -
映画『トワイライト・サーガ / エクリプス』に見るアメリカの性教育 ~エドワードが途中で性行為を止めたわけ
世界中のティーンの心を鷲掴みにしたファンタジー・ラブロマンス『エクリプス/トワイライト・サーガ 』で、人間の娘ベラとヴァンパイアのエドワードは肉体的に結ばれかけますが、エドワードはベラの身を想って、途中で行為を止めてしまいます。本作が伝えたかった愛の形と性教育のあり方について綴るコラム。