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【37】採鉱プラットフォームの概要 ~洋上のギルド工場

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海洋小説 MORGENROOD -曙光 より


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【資料】 海底鉱物資源の採掘プラットフォーム

半潜水式リグと採鉱システムの全容 ~Nautilus Minerals社のモデル

Nautilus Minerals社について

本作に登場する『採鉱システム』、および、『(半潜水式)採鉱プラットフォーム』は、実際にパプアニューギニア海域で海底鉱物資源の採掘を試みたNautilus Mineral社の採鉱システムをモデルにしています。

Nautilus Mineral社(本拠地・トロント)は1987年に設立され、海底鉱物資源(主に銅、金、亜鉛、銀)の商業採掘を目指した世界最初の企業です。

2010年より、パプアニューギニア領海にて、採掘船を用いた商業採掘を計画していましたが、資金調達や管理が不十分な上、採鉱予定であったビスマルク湾岸の住民の猛反対もあり、2019年には日本の民事再生法に相当するカナダの企業債権者整理法が適用され、Nautilus社は清算されています。

しかしながら、採掘船のモデル構築を始め、三台の海底掘削機の建造、詳細な海洋調査データなど、様々なレガシーを残しており、決して無駄な投資でなかったのは確かです。

もしかしたら、近未来、全ての条件が整ったところで、採掘計画も再開されるかもしれません。

執筆中は、Nautilusも健在で、洋上のプラットフォームと掘削機のモデルをはじめ、海洋調査やメンバー構成など、詳細な資料を公開していましたから、私も大いに参考にすることができました。

2021年現在、Nautilus社の企業資産は、Deep Sea Mine Finance(DSMF)社が引き継いでおり、公式サイトやYouTubeに採鉱計画の概要が僅かに残るのみです。

動画で見る ~採鉱システムの仕組みと洋上支援船

こちらは Nautilus Minreal社のプロモーションビデオ。

本作では、石油プラットフォームのような半潜水式リグの設定ですが、Nautilus社のプラットフォームは海洋掘削船のような作りになっています。

技術的には可能でも、海洋環境の破壊は免れず、商業的な採掘は非常にハードルが高いです。

Nautilus Minerals社のモデルでは、石油リグのような採鉱プラットフォームではなく、『PSV(Production Support Vessel)』、直訳すれば、「生産支援船」という形態を取っています。

2010年にリリースされたPDFパンフレット『Offshore Production System Definition and Cost Study』では、下図のようなプランになっています。

なお、PDFパンフレットは、執筆にあたって、私が個人的に収集したものです。

現在はネット上より削除されているので、閲覧のみお願いします。(275ページにわたる冊子なので読込にご注意下さい)

『Production Support Vessel (Production System / Equipment Description)』に関する記述は170ページから、詳細に紹介されています。

生産支援船

Nautilus Minerals社の採鉱システム 生産支援船 見取り図

採鉱システムの詳細については、下記をご参照下さい。

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オフショア(洋上プラットフォーム)の暮らし

洋上プラットフォームの仕事や暮らしは、英語圏では、『OFFHORE(オフショア=沖合)』で表され、YouTubeなどで、「offshore life」で検索すると、様々なPRビデオを視聴することができます。

以前は、個人がスマホで撮影したプライベート動画が多かったですが、近年は、プロモーションと求人を兼ねた、ハリウッド映画のような高品質の企業ビデオが増えました。

日本には石油リグが存在しない為、なかなかイメージしにくいですが、北海やメキシコ湾など、海底油田の掘削が盛んな地域では、かなり高収入な仕事で知られています。前に私が調べた時は、一般の技術職でも平均年収600万円~700万円、マネジャークラスになれば、軽く1000万円を超えます。(ただし洋上施設に拘束される期間は長い)

日本人でも、興味のある人は、英語を勉強して、石油リグに就職するのもアリだと思います。将来的にも、まだまだ需要が高い。

下記の動画は、エクソンモービル社のプロモーションビデオ。「Life on an Oil Rig: Behind the Scenes | ExxonMobil(知られざる石油リグの暮らし)」

プラットフォームの全体像をはじめ、タワーデリック、クレーン、ヘリポート、オフィス、オペレーションルーム、アコモデーション(ランドリー、食堂)など、内部の様子が詳細に描かれています。

なんと音楽室もあって、楽器演奏も可能なんですね。

一般に、プラットフォーム職員は、数ヶ月から半年、洋上に拘束される為、従業員のストレスが溜まらないよう、様々な工夫がなされています。

石油施設というよりは、海上ホテルのような快適さです。
今はIT技術も発達して、家族ともSkaypeなどで話せるので、昔のような隔離感も薄いかもしれません。

【小説】 採鉱プラットフォーム ~洋上のギルド工場

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