海洋小説 MORGENROOD -曙光 One Heart, One Ocean

Category第1章 運命と意思

生命の始まりは微生物 ~今日の利益か、数億年後の生命か

海の本当の価値が分かるのは人類が滅び去った数億年後

優秀な潜水艇パイロットでありながら、自暴自棄を起こしてトレーラーに引きこもるヴァルターの元にアルが訪ねて来る。アルの海洋開発に対して、ヴァルターは微生物の億単位の宇宙的価値を説いて、アルを愚弄する。アルは「屁理屈だけは超一流。くだらんプライドだ」と嘲り、「君の負い目は海でしか返せない。それが運命だ...

海は生きとし生けるもの すべての故郷  

父グンターの必死の努力も空しく、フェールダムの締切堤防は決壊し、幾多の作業員と共に命も失われる。母のアンヌ=マリーは、息子のヴァルターを連れて、アンヌの故国フランスに近いフォンヴィエイユの港町に移り住む。悲しみに暮れるヴァルターの心を癒やしたのは、地中海の美しい眺めと、母が優しく歌うシャンソンの名...

創造的であることが、あらゆる苦悩から我々を解き放ってくれる

大洪水から6年の歳月が経っても未だ悪夢と喪失感に苦しむヴァルターは同郷の大学教授の講演に足を運ぶ。「人間とは乗り越えられるものだよ」と髭の教授は言った。「創造的であることが、あらゆる苦悩から我々を救ってくれる。傷つき、苦しむ自分を恥じなくなった時、本当の意味で君は悲劇から自由になれる」と励まされ、...

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