『愛』と『恋』の違いが分からない ~エロスとプシュケの寓話より

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【恋愛コラム】 『愛』と『恋』の違いが分からない

愛と恋の違いが分からない女性は少なくありません。

相手のことが好きと思えば、愛と勘違いし、愛なら正義と、自分の考えや好意をぐりぐり押しつける。

また、相手があなたに好意を示せば、愛と勘違いし、自分は愛されていると有頂天になってしまう。

相手は単純に、あなたに興味をもっているか、遊びたいだけなのに、特別な感情と勘違いして、相手に多大な期待を寄せてしまうんですね。

愛と恋の違いが分からないのは、男性、女性にかかわらず、あなたが人を愛したことがないからです。

相手が誰であれ、一度でも、真剣に人を愛した経験があれば、それが単なる好意か、無償の愛か、区別はつきます。

それが分からないということは、あなた自身、自分のエゴから脱却できず、周囲に愛情をねだる子供のままなんですね。

本作では、有能でハンサムな彼氏に熱烈に恋するリズが登場します。

彼は、自分の父親(社長)のお気に入りの部下であり、彼と結ばれるということは、将来、彼氏が自分の父親の跡目になることでもあるんですね。

しかし、それが彼の本当の望みかといえば、決してそうではなく、彼には彼の人生があり、「こんな風に生きたい」という願いがあります。

そこで、自分の願いを押しつけて、自分のシナリオに嵌めようとすれば、彼は必ずその身勝手に気が付いて、逃げていってしまうよ……と、先輩のエヴァが説きます。

遠回しな女性が嫌われるのは、そういう理由なんですね。

【小説の抜粋】 あなたは恋してるだけ、本当に愛しているのは彼の方

採鉱プラットフォームのミッションを通して、心を通わせるようになったヴァルターとリズは、久しぶりに施工管理士のマックスと妻のエヴァに再会する。

人生の機微に通じたエヴァは、リズの狂おしいまでの恋心を見抜き、「あなたは彼に恋をしているだけ。本当に愛しているのは、彼の方だ」と指摘する。

戸惑うリズに、エヴァは『エロスとプシュケの寓話』を語って聞かせる。

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Set them Free ~本当に愛しているなら、相手を自由にしておくことにも書いているように、相手に「こうなって欲しい」「こうして欲しい」を願うようになれば、必ずその関係は破綻します。

エロスがプシュケに対して怒ったのは、エロスのことを化け物と疑った事実ではなく、プシュケが不安に負けて、エロスの行動や言葉よりも、周囲の揶揄に耳を傾けた、その心の弱さに対してなんですね。その心の弱さは、愛の弱さでもあります。

昔から、女性が不安に負けて、愚かな振る舞いをする展開は物語の定番ですが、ギリシャ神話の時代から、こうした寓話を通して、男女の機微が語られてきたのは、なんとも興味深いです。

愛とは何か

Love is not the feeling " I really really like you! "
I say to someone "I love you",
when I feel that I do anything to make you happy
with all my heart.

愛は“君のことがホントにホントに好き”という気持ちとは違う。
僕が誰かに“愛してる”という時は、
“君を幸せにする為ならどんな事でもする”と心から感じた時だ。

--- from "love letter"

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