文学・神話・キリスト教– category –
-
自由とは自分を恥じないこと ~ニーチェの『悦ばしき知識』 創作の背景と名言
ニーチェの『悦ばしき知識』(「喜ばしき知恵」)は、究極の生の肯定を描いた『ツァラトゥストラ』の前段階にあたる著書で、「これが生だったのか、よし、それならもう一度」という永劫回帰に向かう思想の助走にあたる作品です。 ニーチェの著書は、いずれ... -
人は労働を通して社会的存在になる ~カール・マルクスの哲学
人間は労働を通して社会的存在になる。社会的存在とは、自分一人の世界の中ではなく、人々との交流の中に生きているということである。労働者革命の一大潮流を生み出したカール・マルクスの名言を紹介。今マルクスを読むべき理由や思想についてのコラムです。 -
『幸せ』が人生の目的ではなく 寺山修司の『幸福論』 / 佐藤忠男の解説「自分の不幸も表現しよう」
一般的な幸福論と異なり、自分が幸せと信じるものを根底から覆し、世界の見方を教えてくれる斬新な一冊。『自分の不幸も表現せよ』という評論家・佐藤忠男氏の解説と併せて、見どころを紹介。コラム『幸せになれない自分も大切にしよう』と併せて。 -
創造的な生き方とは ~人間の目的を打ち立て、大地に意味と未来を与える者
多くの人は、「今の自分が好きになれない」と悩んでいるものです。好きになれない原因は、「理想通りにならない」「欲しいものが手に入らない」「周りと比べて劣っている」といった不満や不安が根底にあります。それが、つのりつのって、怒りに移り変わる... -
現代に生きるためには、無垢な心がどのような報復をうけねばならないか 映画『シベールの日曜日』
ガラス玉を星のかけらと思い込める感受性は、その星のかけらの鋭い刃先でみずからの心を傷つける。現代の生きづらさの正体と人間の感受性に関する文芸コラム。 -
文学と自己啓発の違い ~詩を役立てる心とは 寺山修司『人生処方詩集』
『人生処方詩集』の冒頭で、寺山修司は詩が役に立たないものとして無視されてきた歴史を指摘する。対照的に「役立つ詩」「食える詩」が自己啓発だ。人間の本質を無視した理想一点張りの人生論はかえって人を不幸にする。文学は人間のありのままを描く芸術である。文学と自己啓発の違いについて考察するコラム。 -
「使い勝手」も含めて、全体が「作品」のはず
「「使い勝手」も含めてのもの全体が「作品」のはず。建築は単純なイロとカタチのカッコよさだけの「作品」「造形物」じゃないはずです。自己実現と「社会の中の自我」をテーマにしたコラム。おかしな建築を追究する『ばかけんちく探偵団』掲示板のトピックスより。 -
おまえの時代など永遠に来やしない 寺山修司の小説『ああ、荒野』より
「おまえの時代」など待っていても、永遠に来ないのだから、いつ来るか分からない栄光の時を、月を見上げるように待ち続けるより、今を精一杯生きよう、の喩え。 -
人は決意した瞬間が一番美しい ニーチェの『新たなる海へ』と『シルス・マーリア』
かなたへ――われは向かわんと欲する 今より頼るは この我と わがうで(伎倆)のみ 海原は眼前にひらけ その蒼茫の涯へと わがジェノアの船は乗り出す 大きな試練は大きな苦痛を伴うかもしれないが、それは選ばれた人間だけが背負うことのできる天命と思う。 -
「生きる」ということを10行くらいで書いて悩むような軽薄さを好まない
【生きることに悩む高校生への回答】 高校生のお便り ○月○日 何のために どんなふうに 生きればよいというのだ オレがいなくても オレが死んでも人間は動きまわる 時間はどんどん過ぎ去って 再び帰ることはない あのときは幼かったが 一所懸命生きていた ...