第一部– tax –
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神は罪を犯した者を、罪のままに愛してくださる ~ゾシマ長老の言葉(8)
高徳の僧ゾシマの元に救いを求めて信者の女性が次々の訪れる。子を亡くした母親、年寄りの連れ合いに虐げられた女性、彼女らの訴えに耳を傾けながら、ゾシマは慰めの言葉をかける。 -
リアリストは自分が信じたいものを信じる ~アリョーシャの魅力と未来への伏線(5)
『リアリストにあっては、奇跡から信仰が生まれるのではなく、信仰から奇跡が生まれるのだ』。自身の意思によって神の道に進むことを決めたアリョーシャは、高徳の長老ゾシマに多大な影響を受ける。純粋な信仰心は後の『大審問官』への伏線となり、無神論を乗り越える原動力となる。 -
幸福に必要な鈍感力・アリョーシャ ~鋭い知性はむしろ人間を不幸にする (4)
本作の主人公アリョーシャの生い立ち。次男イワンと決定的に違うのは、「それがひとつも苦にならないし、屈辱でもない」という点。一つ一つを「施し」「お情け」と感じ、自己卑下に陥ってしまったイワンの繊細な性格とはあまりに違う。 -
キリスト教徒の社会主義者は無神論者の社会主義者より恐ろしい ~ゾシマ長老とイワンの問答より(10)
国家が罪人に刑罰を科しても魂が救われるわけではない。真に人間を救済するのはキリスト教会であり、国家が教会そのものになるべきという熱い議論が交わされる難解なパート。『キリスト教徒の社会主義者は無神論者の社会主義者より恐ろしい』はアリョーシャの未来を示す?
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