そのプレ虐待はきっと止められる ~育児ストレスの9割は『夫ストレス』

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そのプレ虐待は、きっと止められる

子供が3歳と1歳の時、繰り返し読んでいた本に、『どうしても感じてしまう 子育てストレス みんなどうしているんだろう?』(主婦の友編集部・編 / 主婦の友社・発行)というものがあります。

この著書は、読者さんとのインタビューを元に編集されたもので、そこに紹介された体験談は、どれも生々しいものばかりでした。

「子供の頭に茶碗を投げつけ、病院で縫わなければならないほど深い傷を負わせた」
「専業主婦をしていると、自動車教習所の先生に叱られることさえ新鮮に感じる」
「内気ゆえに爪かみしている子供を見ていると、自分を見ているようで、余計に歯がゆく
感じた」

……etc。

私はたまたま他の部分で恵まれていたのと、年相応の分別をもっていたので、そこまで至らなかっただけで、経験した苦しさはまったく同じです。

一口に『育児ストレス』と言っても、「母と子」一対一の世界でストレスを感じている人は少数で、実際には、「無理解・非協力な夫」「口うるさい姑」「ママ友間の競争」「自分の人生に対する焦り」など、様々な原因が重なって、疲れが臨界点に達した『複合ストレス』が大半だと思います。

母親一人がどれほど努力しても、ストレスの元凶が二つも三つもあれば、どうすることもできません。

にもかかわらず、母親一人がストレスに感じているというのが現状ではないでしょうか。

ストレスの話になると、「一時保育を利用したら」「地域の専門家に相談して」というアドバイスをよく耳にしますが、週に1~2時間、美容室に行く時間が確保できたところで、根本的な解決にはなりませんし、保育料も結構しますから、普通の専業主婦ならかえって無駄や罪悪感に感じ、「私が辛抱して、その分、学資保険にでも回した方がマシ」と考えると思います。

また、「地域の専門家」と言っても、見ず知らずの相手に「すぐ子供を叩いてしいます」とはなかなか言えないですよね。「かえって説教されるだけではないか」と二の足を踏んで、このまま我慢する事を選んでしまう人も少なくないのではないかと想像します。

それに、児童館のような公共スペースも、バスをいくつも乗り換えて行くような場所なら、気軽に利用することはできません。かえって、子供を連れて歩くことがストレスになってしまいます。

育児ストレスに苦しんでいる人は、一時的な「逃げ」や「慰め」が欲しいのではなく、「日々の重圧を減らして、心と身体をゆっくり休めたい」「できれば、援助は夫にして欲しい」「義母に横から口出しされたくない」、というのが圧倒多数でしょう。

早い話、誰なりと理解してくれる人があれば心の重荷もずいぶん楽になるのですが、夫に心ないことを言われたり、義母にダメだしされるから、育児ストレスはどんどん悪化するのであって、別に子供がどうこうという問題じゃないんですね、本質は。

にもかかわらず、母親は育児が上手くいかないのは自分のせいだと思い込み、「ご褒美のスイーツ」だの、「ファミサポ」だの、騙し騙しで頑張って、ある日突然、プツーンと切れてしまいます。

そして、一度でも、子供に手を挙げ、怒鳴ってしまえば、歯止めがききません。

子供を叩いて、スカッと憂さ晴らしした時の快感が忘れられなくなるからです。

多くの人は、「幼子の相手をするのは大変。ストレスがたまるのは当たり前」というけれど、問題を加速させているのは、たいてい、夫なんですよ。

同じように幼子に振り回されても、夫婦で和気藹々、助け合っている家庭は、大変な思いをしても、ストレスがたまることはありません。

どれほど心身が疲れても、「ごくろうさま」「手伝おうか」の気持ちで支え合えるからです。

逆に、それほど手の掛からない子供でも、夫が無関心で、奥さんに丸投げしている家庭は、たいがい奥さんがストレスを抱えています。

子供の育て方うんぬん以前に、夫がストレスを作りだしているんですよ。

でも、世間では、そのように認識しないでしょう。

だから、母親も孤立感を深めて、ますます悪循環に陥るわけです。

正直、子供に厳しく当たってしまうのは、夫にぶつけるべき不満や怒りを、子供にぶつけているだけではないですか。

だったら、育児ストレスではなく、夫ストレスですよね。

そこを改善せずに、遊びの工夫だの、躾だの、頑張っても、決して育児が楽になることはないと思います。

多くの人は「プレ虐待」の予備軍であって、いつでも引き返せる地点にいると思います。

でも、引き返すには、問題を履き違えないことです。

本当に怒りを覚えるのは、夫の無理解や無関心であって、子供自身に腹を立てているのでなければ、先に夫との関係を改善しましょう。

その方が、子供に物を言って聞かせるより、100倍速いですよ。

ちなみに、私の知人が言ってました。

つい、子供に怒鳴ってしまうけど、本当は、子供の向こうにいる、リビングでぼーっとスマホやってる、夫に向かって怒鳴ってるんだ」と。

育児ストレスの本質は、そこに集約されていると思います。

でも、誰も指摘しないから、母親には救いがないのです。

最後に、親野智可等先生のアドバイスを紹介します。

http://benesse.jp/blog/20080909/p1.html (リンクは削除されています)

「よくないとわかっているのに感情的に叱ってしまう」「今日こそ怒らないようにと思いつつ怒ってしまう」「頭ではわかっているのに自分をコントロールできない」親のそういう声をたくさん聞きます。「わかっているならやめればいいのに」という人もいるかもしれませんが、それがなかなかできないのです。何度反省しても同じ過ちを繰り返してしまう、頭ではわかっているのに自分を変えられない、それが人間というものなのかもしれません。

私の経験からはっきり言わせてもらいます。なぜ、変えられないかというと、それは本当に心からわかっていないからなのです。その行為のもたらす結果がどのようなものか、それがはっきりわかっていないからできないのです。

このまま子どもに対してイライラして叱ったり怒鳴ったり、自分自身の勝手なエゴで子どもによくないと頭でわかっていることをし続けていれば、その結果、どういうことになるのか?それがはっきりわかっていないのです。

でも、このままいけば、本当につらく悲しい結果になる可能性は高いと私は思いますよ。

子どもが小さい時は、それほど結果が表れないのです。小さい子どもは本当に無力で、親にすべてを頼らなくてはならないからです。でも、子どもはいつまでも小さく無力でいるわけではありません。成長して力がついてくるにつれて、結果が表れてくるのです。

コラム子育て・家育て 一日一歩の『ママ哲』  第41号   そのプレ虐待は、きっと止められる! より 2008年1月21日

父親が定時で帰宅して、夜は子供と遊んでくれたら育児ストレスはなくなります

どこの世界も育児は大変ですが、私は自分の居住地を見ていて、父親不在の育児がどれほど子供と家庭を不幸にするか、痛感することしきりです。

こちらは、一般の従業員はサービス残業なんてやらないし、医師だろうが、部長だろうが、定時になったら、とっとと帰宅して、家でのんびりビール飲んで、川縁でジョギングして、庭の芝刈りをして、健康的な生活を送っている人が大半です。

夕方の子供の世話もお父親の役目で、春夏のベストシーズンになると、公園で子供を連れて散歩している親って、半分ぐらいが父親なんですね。もしくはカップル。

中には、スポーツタイプのベビーカーに赤ん坊を乗せて、ジョギングしながら世話している若いお父さんもありますし、幼いきょうだいをサイドカーに乗せて、仮面ライダーみたいに、サイクリングロードを疾走しているお父さんも多いです。

その間、お母さんは息抜き&家の片付け。

世帯の8割が共働きですけど、日本みたいに、ワンオペ育児で、ひーひー言ってる人なんて、まあないですよね。

あと、こちらは妻側同居(妻側近居)がデフォルトで、特に仕事をしているお母さんは、自分の両親と暮らすことが多いです。アパートみたいな二世帯住宅で、お迎えも、夕食の支度も、全部、自分のお母さんとお父さんがやってくれるので、けっこう余裕ですよね。

中には、結婚を機に、旦那さんの方が転職して、奥さんの実家の近くに引っ越すぐらい。

それぐらい女性中心の社会で、上手く回ってるんですよ。

みな、「育児がしんどい」とは言うけども、日本のワンオペ育児に比べたら、かなり楽勝の部類に入ると思います。

そしてまた、男性も考え方が利口なんですね。

自分の奥さんの面倒を、奥さんの両親に見てもらったら、自分も楽できるでしょう。

嫁姑だの、育児ストレスだの、嫁さんが気持ちをこじらせて、ぶーぶー文句を言うことがないから、気楽でいいですよ。

中には、結婚を機に,旦那さんが転職して、奥さんの実家の近くに引っ越すぐらい。

それも一つの賢い選択と思います。

嫁が実家に入り浸りで喧嘩になるのは、旦那さんだけ締め出すからだと思います。

そこで嫁側の両親が上手に旦那さんを盛り立てて、決定権を譲れば、旦那さんもひねくれないです。

ゆえに、育児ストレスというのは、環境を変えれば、案外簡単に解決するものです。

にもかかわらず、母子一対一の中で語るから、おかしくなるのだと思います。

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