映画– category –
『クソ映画にも五つ星の愛を』をモットーに古今の名作からB級映画まで、お気に入りの作品を紹介しています。
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神は言葉なり 真理が世界を支配する 映画『ザ・ウォーカー』
世界を支配する『一冊の本』をめぐって、旅人イーライと悪党カーネギーが激突する。イーライの美しい言葉に心ひかれた少女ソラーラは行動を共にするが、カーネギーに捕らえられ、イーライも絶体絶命に陥る。キリスト教の世界観をベースに描く近未来アクションの見どころを画像と動画で紹介。コラム『神は言葉なり~真理が世界を支配する』と併せて。 -
映画『シンドラーのリスト』とオフィシエンチム戦争博物館(アウシュビッツ収容所)の記録
スティーブン・スピルバーグのアカデミー受賞作「シンドラーのリスト」の感想と、オフィシエンチム(アウシュビッツ)博物館の日本人ガイド中谷剛氏の著書から、歴史教育に関する考察など。 -
もう二度と飢えに泣かない 映画『風と共に去りぬ』が描くスカーレットの心の強さ
Tomorrow is another day (明日に望みを託して)が有名だが、第一部のエンディング、戦争に負けて、初めて人生の苦難を知ったスカーレットが荒廃した大地に立ちあがり、『神様を証人に誓う。もう二度と飢えに泣きません』の台詞も素晴らしい。女性が強く生きること、海外作品を英語で読み解く面白さを紹介。人種差別のキャンセルカルチャーに対する私見も併記しています。 -
勝者の語る正義に説得力なし 映画『ジョーカー』とホアキン・フェニックスの魅力
病苦と貧困に喘ぎながらも笑いを忘れないアーサー。しかし格差の壁は厚く、心の支えだった職も失い、だんだん心を病んでいく。壊れざるを得なかったジョーカーの狂気をホアキン・フェニックスが好演。 -
世界を救う第五の要素 映画『フィフス・エレメント』 & エリック・セラの『Little Light of Love』
はかなく、頼りなげではあるけれど、私はそれを信仰(faith,religion)によって守り抜こう、夜の闇を超えて、世界を照らし続けよう。 -
ジェット・リーが熱い リュック・ベッソン監督の傑作『キス・オブ・ザ・ドラゴン』
中国の捜査官リュウは麻薬捜査に協力する為にパリに赴任するが、逆に密売人殺害の汚名を着せられ、仏警察に追われる。ジェット・リーのカンフー・アクションが炸裂する痛快な娯楽サスペンス。ジェット・リーのインタビュー『enjoy yourself(自分自身を楽しめ』のコラムと併せて。 -
人類滅亡と昭和の男社会 ~女性の皆さん、子供を産んで下さい 映画『復活の日』
生物兵器MM-88を強奪したテロリストの小型飛行機が雪山に墜落し、容器から漏れ出したウイルスが雪解けと共に爆発的に増殖を始める。人類滅亡の危機に瀕して、最後の希望は、ウイルスが無力化する南極に取り残された人々だった。 -
ヒポクラテスの誓いと良心の呵責 『殺意の誓約』(2016年)
優秀な外科医フィンヌルは娘アンナの恋人がヤクの売人であり、娘も薬物依存症であることを知って、別れを迫るが、逆に手切れ金を寄越せと脅される。切羽詰まったフィンヌルは、恋人を拉致し、殺害することを計画するが、意外なところからアリバイが綻び始める。 -
映画『八甲田山』と死の彷徨 日本の組織は昔も、今も...
軍隊という硬直した組織と一部の権力に振り回される庶民の悲哀を描いた超大作。日本を戦争に駆り立てたものは何だったのか。なぜ誰も軍と政府の暴走を止めることができなかったのか。作家・新田次郎の激しい怒りが深く静かに伝わってくる小説も読み応えあり。 -
本当の『鬼畜』は誰? 松本清張の描く「子捨て」と「子殺し」
愛人と生活費で揉めた宗吉は三人の子どもを押しつけられ、妻・お梅の怒りを買う。途方にくれた宗吉は子どもを捨てることを思い付く。宗吉とお梅も人面獣心の鬼畜かもしれないが、幼い三人の子どもを置き去りにした愛人・菊代はどうなのか。松本清張の小説の抜粋と併せて紹介。 -
悪女 VS キャリアウーマン 事件の印象が証言を左右する 松本清張の『疑惑』
一台の車が埠頭から海に突っ込み、鬼塚球磨子は救助されるが、車内に取り残された夫の白河福太郎は死亡する。前科四犯の毒婦の先入観から、球磨子の犯行という前提の元に裁判が進むが、彼女の弁護を引き受けた佐原律子の鋭い推理により、思いがけない事実が明らかになる。桃井かおりと岩下志麻、二大女優が火花を散らす野村芳太郎監督の傑作。小説と映画の違いを併せて紹介。 -
優しさは真似できない ~永久不変の価値とは 宮崎駿の『風の谷のナウシカ』
宮崎駿の代表作『ナウシカ』はなぜ世界のスタンダードとなったのか。全編に漂う「やさしさ」から本作の魅力を読み解くコラム。