文芸・思想・神話– category –
海外の古典を中心に、長編小説、詩集、文芸評論、寓話、絵画、建築など、お気に入りの作品を紹介しています。
作品解説ではなく、作品を題材としたコラム集です。
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・ ドストエフスキー
・ 寺山修司
・ キリスト教と聖書
・ 心に響く詩
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疎外する家族と厄介者の息子 グレーゴル・ザムザは本当に『虫』になったのか ~フランツ・カフカ『変身』
朝目覚めるとグレーゴル・ザムザは巨大な虫に変身していた。父には疎まれ、母はおろおろするばかり。厄介者となったグレーゴルは家族に疎外され、一人淋しく死んでいく。ファンタジーでありながら、人間の内面をありのままに描く近代文学の傑作。作品の見どころとカフカの生い立ちに関する解説を紹介。『病気になっても通勤の心配 / 断絶こそ安らぎ / 罪のリンゴ、本音の赤 / 一つの家族が幸福になるには、一人の犠牲が必要』など。プラハのカフカ博物館のギャラリーと併せて。 -
幸せ待つ間が「幸せ」 フランツ・カフカの寓話『皇帝の使者』
いつまで待っても現れない皇帝の使者。それは待つ者にとって悲劇なのか。待つ間こそ本当の幸せがあるというたとえ話。カフカの寓話より。 -
本田宗一郎の名言 『得手に帆を上げて』 ~好きなこと・得意なことで生きていこう
人生は「得てに帆あげて」生きるのが最上だと信じている。 だから今でも機会があると、若い人に得意な分野で働けといっている。 -
宮尾登美子『天璋院篤姫』 与えられた運命の中で生き抜く
親に命じられるがままに嫁ぎ、嫁いでからは個よりも公として生きる。今よりもっと女性が縛られた時代、天璋院篤姫は自らの意思によって将軍を支え、幕府政治の未来を負う。女性の生き方について考察するコラム『与えられた運命の中で生き抜く』と併せて。 -
男は知っていることを言い、女は人を喜ばせることを言う 。・゚・(´∀`*)゚・・ ルソーの『エミール』より
ジャン・ジャック・ルソーの名著『男は知っていることを言い、女は人を喜ばせることを言う』をモチーフに男女のすれ違いを考察。男女は決して話し合うべきではないという文芸コラム。 -
人は二度生まれる。一度目は存在する為に。二度目は生きる為に。
ジャン・ジャック・ルソーの名著『エミール』の「わたしたちは、いわば、二回この世に生まれる。一回目は存在するために、二回目は生きるために」の名言にまつわるコラムと十八歳の旅立ちをテーマにした小説の抜粋。 -
山崎豊子の医療小説『白い巨塔』 あとがきに記された作家の社会的使命とは
貧しい地方出身の財前五郎は浪速大学の教授に上り詰めるが、ガン転移を見逃し、患者を死に至らしめる。悲しみ憤る遺族は裁判を起こすが、財前は政治力を駆使して叩き潰そうとする。医学界のヒエラルキーと権力に翻弄される人間模様を、確かな医学知識を元に描く医療小説の金字塔。本作のあとがきに記された作家・山崎豊子の社会的使命を紹介。 -
死を受容する必要なんか、ない 渡辺淳一の医療小説『無影灯』
難病に苦しむエリート医師と看護婦の恋を描いた『無影灯』は渡辺淳一氏の死生観や医療観が色濃く反映された医療小説。がん患者に告知することは正しいのか。優しい嘘をつくことが患者の救いになることもある。末期医療の在り方に一石を投じる傑作。医療コラム『がん告知 ~優しい嘘が患者を救うこともある』 -
『生き続けて行け。きっとわかって来るだろう』 ゲーテの格言より
「われわれには理解できないことが少なくない。生き続けて行け。きっとわかって来るだろう」ゲーテの格言をモチーフに生きる意味と希望について綴る心のコラム。 -
『死』は最後に訪れる救済だから、僕たちはどんな風にでも夢見ることができる ~カフカの日記より
「すでに子供のころから見えていた、いちばん近い逃げ道は、自殺ではなく、自殺を考えることだった」逃げ道のない子供にとっては、死や自殺について空想することが時には心の救いになるという例え話。 -
肉体の声に耳を傾け、自分に素直に生きる D・H・ロレンスの名作 『チャタレイ夫人の恋人』
上流階級のコニーは半身不随となった夫に振り回され、疲れ切っていたが、森番メリーズと知り合って、生きる歓びを取り戻す。猥褻か、芸術かで裁判沙汰になったD・H・ロレンスの性愛小説。過激な性描写と思われがちだが、本質は、肉体を通じた男女の愛と、ありのままに生きる大切さを謳った人生賛歌である。小説の抜粋とショーン・ビーン主演のTVドラマを動画で紹介。 -
知見は時に絶望しかもたらさない カフカ寓話集『ロビンソン・クルーソー』
もしロビンソン・クルーソーが見晴らしのいい一点に留まり続けていたら、いち早くくたばっただろう――フランツ・カフカの寓話より。よく知ることが必ずしも人間を幸せにするわけではないというコラム。